第2章 大人になって①
広間に戻ると、案の定ウララカァ〜オイデ〜と悪魔達に手招きをされる。何やの、怖いなあなんて笑いながら、向かうと早速、質問攻にあう。
でも、これでいい。今は楽しまな。
楽しもう。
「んっ!びーるおっかわり!!!」
勢いよくジョッキを持ち上げると
イイネェ!!と拍手が起こった。なんだかふわふわしてきて、気持ちよくなってきた。
ほらよっと新しいジョッキを受け取った時、再び鋭い視線を感じたので振り返ると、赤い目を細くした爆豪くんに睨まれていることが分かった。
なんやの。
むかつく。
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「何やの、爆豪くん。こんな気持ちい時に!また、まるがおーとかいっていちゃもんつけてくるんや。これは懲らしめないかん!!」
ブツブツと、心の中の声を何1つ隠すことなく、謎の因縁を呟きながらふらりと席を立つお茶子。それを横目に、
「うららか?どした?大丈夫か?」
と、上鳴が声をかけるが届かなかったらしく、まっすぐに、爆豪の元へ歩いていく。謎であるが、久しく会ったライバルとの戦いのような闘志がうかがえる。
耳郎は、このお茶子にツボったらしく、お腹を抱えて笑い転げた。
「ばっッくごうくん!!!!!」
爆豪の目の前の席に着くと、勢いよくジョッキを机に叩きつける。ドン!といい音がしたが、当の爆豪は呆れた目でお茶子を見つめた。
「あ?ンだよ酔っ払い」
「そっちだって酔っ払いじゃん!!!!」
謎の言い合いを始めたが、周囲はまあよくあることだろうと二人を放置することにした。麗日の移動により、元座っていた席からいろんな人が移動し始め、女子会は解散を迎えたらしい。席移動のおかげで、また広間が騒がしくなる。
「だいたい!ばくご、くんは!!さっきから、なんで睨んでっくるん!」
声が大きくなったり、小さくなったりと安定していないが、目はまっすぐ爆豪を捉えている。
「うるせぇ、いちゃもんつけてくんな」
「今日の、お店!で買ってた、激辛ナントカで、爆豪くんなんか!爆豪くんなんか!!!」
目だけ真剣だが、話は唐突に変わるし、理解できない言葉を並べている。机に置いてあるビールをまた飲み干すと、切島に向かってオカワリィと声をかけた。