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僕のヒーロー

第2章 大人になって①




「少しいいかしら」

ケロケロっと梅雨ちゃんが一声発すると、ざわざわしていた広間が静かになった。梅雨ちゃんは昔から、何か人の心を引きつける話しをする。


「ごめんなさいね、皆んな心配していたの。三人が何かの事件に巻き込まれたんじゃないかって」


思わずウンウンと頷いてしまう。


「まず、三人とも無事でよかった。そして多分皆んな、聞きたいことがたくさんあると思うの。」


ウンウンと頷く人がどんどん増える。

「でも、記者会見じゃないんだし、せっかく揃ったから乾杯しながらゆっくりお話ししましょう」


ニッコリと、みんなに向けて話された言葉達に、皆んな冷静さを取り戻した。

そうだな!とりあえず何か飲み物頼むか!!と切島がみんなの注文を取りまとめはじめた。



さすが梅雨ちゃん。昔保健室のリカバリーガールが言っていた事をふと思い出した。


『彼女の冷静さは人々の精神的支柱になりうる』



すごいなあ、私ったらちっとも成長できた気がしないや…




「麗日!お前はなんにする?飲み物!」


ボーッと考えてたら、後ろから切島くんが声をかけてきた


「わあ!!ごめん、ぼーっとしとったわ…ええっと、ビールで!!」



「おっけー!!」


と切島くんがほかの人に注文を取りに行った時、なんだか痛いくらい視線を感じた。

視線の方向を向くと、爆豪くんがガン見してきよる。いや怖すぎん?人相悪いというか、機嫌悪い?!私なんかしたかな…???


後で聞いてみよっと…




なんかよくわかんないから、とりあえず首を傾げら仕草をしたあと、くるりと女子テーブルの方は戻った。




それにしてもデクくん、一体何があってお店なんか開くことに…?でもデクくんが開いてるなら納得できる。相澤先生がいることも、オールマイトが多いことも、というかヒーロー好きを前面に出しているこのお店も。




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