第2章 大人になって①
「いっやあ、遅くなっちまって悪かった!!」
「やっと全員揃いました〜」
切島と上鳴が爽やかな挨拶とともに現れる
「お、遅くなってごめん!!!」
二人の後に勢いよく飛び込んできたのは、デクくんだった。
聞きなれた声
だいぶ背が伸びたみたい、少し痩せたかな
肌荒れもちょっと良くなっとる。そばかすは相変わらず
髪は、綺麗に切りそろえられ、学生時代からは考えられないがちゃんとセットしてある。
なんだか胸がぎゅっとする。
デクくん、カッコよくなっとるな。
生きてた。
怪我もしとらん。
良かった…
視線をお腹あたりまで落とすと、私服にしてはちょっとよくわからないものが目に入る。
ってえええ?!?!なんでエプロン?!?!
なんと、緑谷はコスチュームによく似た緑色で、オールマイトのような触覚が肩あたりから生えたエプロンを身にまとっていた
たしかに、普段からなんかちょっと微妙なTシャツとか多かったけどさ!!
「おまえ、遅れてきた上になんだそのふざけた格好…」
皆が一斉に抱いた疑問に、先人切って口を開いたのはまさかの爆豪くんだった。
爆豪ナイス、とみんなが心の中で唱える。のが聞こえたきがする。
「あ、ああじつはね、この店僕が開いたんだ」
少し照れながらデクくんは答えた。
が、みんなは目を点にしている。
「厨房、新人の子がまだあんまりなれてないから、料理の仕込み思ってたよりかかっちゃったみたいで。少し手伝ってた」
エプロンをぱさっとぬぐと、なれた手つきで折りたたむ。中は普通にシャツを着ていて、仕事帰りって感じだった。
「で、俺たちは厨房の奴ら忙しそうだったからレジやら応対手伝ってたんだ。」
上鳴たちが親指を立てて得意げに話す。
へえ〜っ。お店!開いたんだね!それなら仕方ない…
てなるかああああ!!!
とみんなから怒涛の質問ぜめが始まる。
「いや、は?ふざけてんのかデク!てめえヒーローだろうが、何のんきに店なんかやったんだよ!」
「緑谷君!!いつオープンしたんだ!一言くらい声をかけてくれたって!!」
「ちょっとどういうこと!ちゃんと説明してよ!!」
「え、ちょっ、あの店員可愛い!」
広間がざわざわとする。