第2章 大人になって①
「え…不参加なってなかったよね?」
耳郎が尋ねる。
そのはずだけど、と梅雨ちゃんが頷く
どうしたんやろ、いつもなんかの集まりとかは1番レベルで早くくるはずやのに。
といっても、まだ5:58と時間になっているわけではないが。
もしかして何かの事件に巻き込まれたんじゃないかという気持ちが芽生える。
デクくんはそういう人やから…
大丈夫なんやろうか
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あのクソナード、まだ来てないんか。
チッと舌打ちがでる。
チラッと時計を見ると、もうすぐ待ち合わせギリギリの時間。
まあ珍しいっちゃ珍しい。あいつはいつも馬鹿みてえに早く来るからな。それに加えて切島もいない。なんなら、表で待ってる上鳴も来ねぇ。
パッと麗日の方を向くとなんだかそわそわしてるようだった。それもまたムカつく。あいつはまだ、デクの事が好きなんか?まだあんな顔するんか…?
心がイラっとする、それもこれもあのクソナードのせいだと考えるとさらにイラっとする。クソ。
高校ん時、あいつは多分、デクのことが好きだったと思う。
ふとした時に目で追ってたり
話したあと、嬉しそうにしてたり
デクの話がでるとすげえ赤くなってあからさまだったしな
すっげえムカついたし、腹が立ったのを覚えとる。何でかは分からんかったけど、後に上鳴達と飲んでる時に口を揃えて
「それ、爆豪お前、麗日のこと…」
好きなんじゃねえか、って言われた。
違えよカス!!適当言ってんじゃねーよ!!!!って当時は爆発させてきたが、後に考えるとそうだったんじゃないか、とも考えるようになった。
あんな丸顔、好きになるわけねえ。俺はNO1ヒーローになる、そうなれればなんもいらねぇ。
なんて言い聞かせてきたが…
卒業して、しばらく会わなくなって。
もともと連絡取るわけでもないし
俺は恋だのなんだのなんかしねえんだろうなって、丸顔のことなんかどうでもいいだろってぼんやり考えてた、時のこの飲み会だ。しかも飲み会前にまさかのバッタリ会うし。まじでタイミングだろ…
あの三人組は殺そうかと思ったくらいムカついたが、なんでこんなにムカつくのかも、分かんねえけど。守りたいって思ったのが現実だった。
無駄に意識してしまう自分がいる。それにもまた腹がたつが。