第2章 大人になって①
「お姉ちゃん、もしかしてウラビティ???」
「あ~、どっかで見たことあると思ったらぁ」
「お〜生ウラビティかっわいい!」
店を出て、三人の男に声をかけられた
なんだか、知名度が上がった気がしたし、褒められて悪い気はしなかったので、「ありがとうございます」と笑顔で返した。
嬉しい気持ちになるがそんな気持ちもつかの間であった
ぐっと三人の男に柱の陰に詰め寄られる。死角を作るためだろう。
「ウラビティってさあ、彼氏いるの?」
「ウラビティの、おっぱいって何ビティ?」
「今日オフ?俺たちと遊ぼうよ」
下から上まで舐めるような目つきで見られる
正直気持ち悪かった。先程褒められて嬉しくなった自分が浅はかではずかしくなる。
「…!!!!」
行きません!と声を出そうとするが、三人のうちの誰かの個性なんだろう、うまく言葉が出ない…
しかも、身動きも取れない。
この三人の個性、組み合わせれば犯罪を容易に犯せるだろう。
「抵抗しなかったら、手荒な真似しないからさぁ~」
ジリジリと詰め寄られる。
店から出て、ほんの数分でめんどくさすぎる輩にからまれてしまった。今日は楽しい日になるはずやのに、なんてことを…個性を使うにしても、民間人に使うのは…
「俺たちと、楽しいこと、シよ?♪」
一人の男が、お茶子の肩に手をポンっと乗せた瞬間だった。
「俺も混ぜてくれよ~♪」
パッと顔を上げると笑顔の爆豪が立っていた。
しかしそれは笑っているというより、メラメラと燃える大魔王のような雰囲気で…
1人の男の肩には、なんだよつれないナァと、爆豪によって楽しそうに肩を組まされた男がガタガタと震えていた。
肩を組む力が込められすぎて変形するんじゃないかと心配になるくらいである。
やばいと感じた肩をくまされた男は、自身の体を液体のように溶かし、スッと爆豪からすり抜け三人ともそのまま走って逃げていった。
「くそが、逃げやがったか」
すごい形相で爆豪が舌打ちをかます。
突然だった。
フワッと、柔らかみのあるなにかがお腹あたりに当たっている。
お茶子は爆豪に抱きついていた。