第2章 大人になって①
「爆豪くんどこ行くん?」
「うっせえ、つかなんでついて着てんだよ!」
えへへいいじゃん!と後ろをちょこちょこと、置いてかれまいと足の回転数を上げながらお茶子がついていく。その分爆豪は足の回転数を上げているのだが。
お茶子が歩くたび、フワフワとワンピースが揺れ動く
今日は薄ピンクの女性らしい膝より少し上の丈のワンピースに、白のカーディガンという、学生時代からは想像もできないような女性らしい服装だった。
「……飲み会なのに短えんだよ…」
ボソッと心の声を漏らすが後ろを歩くお茶子には届いていないようだった。
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しばらく他愛もない言い合いを続けていると、突然爆豪が暖簾をくぐって何かの店に入っていってしまう。
置いていかれまいと、立て札を見ずにパッと暖簾をくぐると
そこには棚一面に凄まじい種類のの塩が置いてあった
「し…お…?!」
塩専門店なんて、なんてマニアックな!!と思って後ろを振り返ると、反対の棚一面には凄まじい種類の醤油が置いてある
「し、ししし醤油?!しかもこんな…?!」
あっけにとられてポカンとしていたが、
ふと我にかえり爆豪を探す
しかし、この部屋にはすでに爆豪はおらず、次の暖簾の奥に行ってしまったようだった
(見失ってしまったし、せっかくやから…)
目線の高さにある塩を手に取ってみるが、表記的にも、産地的にもどうやら日本で採れた塩ではなさそうだった。
醤油も同様である。テイスティング!と書かれたものはどうやら味見できるらしいが、なんだか怖いのでやめておこう。
いろんな種類の塩と醤油…のお店?
頭の中がはてなでいっぱいになりながら、次の暖簾をくぐる
そこにも爆豪はおらず、代わりに次は各地の味噌やスーパーで見かけるものから高級そうものまでさまざまな種類のお砂糖が並べてあった。
もう1つ進むとやっと見慣れたツンツン頭を発見する。
「やっと見つけたわ爆豪くん…この店なんなん…?」
爆豪は手に2つの瓶を持ち、さらにもう1つに手を伸ばしながら答える
「なんなん?って、見りゃあ分かるだろ」
「えっ…塩の店?」
んっ、とレジ方向の暖簾を指差すと
【調味料専門店】と書かれたものが目に入る
「調味料…???!!専門店???」