第7章 事件のすべて
そんな日々が続くある日
「あぁ…今日は早く帰るよ」
「え?…」
「たまには君と食事をしないと夫婦じゃないみたいだろ?」
そんなことを言って家を出た夫
私はハリーとの密会を早く済ませ、料理を作って待っていた
これが夫との最後の晩餐だと
ビーフシチューなんていつぶりだろう…
付き合い始めた頃はよく作ってはジョージが美味しそうに食べてくれていたのに
ジョージのビーフシチューには睡眠薬を入れて、その後に届け物をしにくるハリーに罪をなすりつけるつもりだった
そうすれば私はジャックと共に過ごしていけると思っていた
夫は私を殺し、私がジャックを愛した証を全て燃やし尽くした
ジャックから貰ったもの、そしてあのビデオテープも