第1章 イケない関係
翌日 エバンズ宅
「おはようございます。もう出ていかれるんですか?」
「あぁ…今日は早く帰るよ」
「え?…」
「たまには君と食事をしないと夫婦じゃないみたいだろ?」
夫が珍しく私の機嫌をとってきた
でももう遅いけど…
「わかりました。あなたの好きなビーフシチュー作って待ってますから」
「あぁ、頼むよ」
そう言って夫は会社へ向かっていった
どうしたんだろ…
『急にこんなこと言い出したのよ?』
『向こうも不倫してるとか…?』
しばらくして私は彼にメッセージを送ると、不倫をしてるのではと返ってきた
「そんなはず…」
今更、遅いはずなのに私は結局、夫が不倫をしていると疑惑が出るとなぜか心がムカムカした
私もイケないことをしてるのに、結局は…
ピーンポーン―――――
「はーい」
家のチャイムが鳴って私は玄関へ向かう
「どーも。こちら宅配便です」
「あ、いつもありがとう」
「いえいえ、奥さん。今日もお綺麗ですねー」
「うふふ、またそんなこと言って何も出ないわよ?」
いつも宅配に来てくれる若い男は私に綺麗だと言う
もちろんお世辞じゃないことも知ってる
「いえ、本当です。奥さんはお肌が本当にツヤツヤで、僕はいつも奥さんに見とれてしまうんですよ」
「うふふ、ありがとう。それならいつでも来ていいわよ?お茶ぐらいしか出せないけど」
「本当ですか?」
「ええ、いつも汗水たらしてお疲れでしょ?少しの休憩ぐらいしないと体がもたないわよ?」
「そんな…奥さんは本当に上手ですね」
「え?…」
「いえ、僕が奥さんの虜になるのは奥さんの魔性の言葉があるからと思ってた」
「そんなことないわよー。ほら、少し上がって?」
「では失礼します」
そうして宅配便の若い男を上がらせた