第2章 狂い
「あなたはリリーさんとどのようなご関係で?」
「リリーは俺の愛人だよ…」
次の取り調べは不倫相手のジャック・ウィルソンだった
「なるほど。つまりはリリーさんと不倫していた」
「あぁ…でもリリーは旦那と離婚するとも言ってた」
「離婚ですか…リリーさんとはいつお知り合いに?」
「リリーは旦那と俺の経営するバーによく来てた常連だ」
「なるほど」
「アイツが結婚して2年経った頃、旦那が帰ってこねーって泣きながら1人でバーに来たんだ」
「泣いて…ですか」
「あぁ…それで理由を聞いたら、旦那が社長になったらなったで飯は連絡ひとつも入れずに外で食うし、勝手にホテルに泊まったりしてよー」
「それで…?」
「あいつは旦那に連絡入れろと言ってもなんも聞いくれねーってそう泣いて俺に話したんだ」
「冷たくされていたんですな?」
「そうだ。だから俺はリリーを助けたくなったし、ちゃんと俺なら愛してやれるとも思ったよ」
正直に答えるジャック
「なるほど。それでリリーさんはあなたの元へよく行くようになったんですかな?」
「あぁ、リリーは俺のことを愛してくれてた。俺もアイツのことを愛してるよ今でもな」
「なるほど、わかりました。またお聞きすることがあるかもしれませんがご協力よろしくお願いします」
「もちろんだ。あいつを殺した奴は許せねーよ」
ジャックはそう言って帰って行った