第17章 two faces〜2つの顔を持つ復讐者〜【荼毘/切甘】
荼毘は俺の個性使うまでもねぇ仕事だった、なんて言って個性すら使わず仕事をこなした。
それからというもの、荼毘と仕事する事が増えたが彼はいつも個性使うまでもねぇ仕事ばかりだと言って個性使わず仕事をこなしていた。
確かに私でも個性使うまでもないなってレベルの仕事もよく回ってくるから気持ちはわかるけどヴィラン連合加入して1ヶ月が経つが、私は荼毘の個性を未だに知らない。
だから直接荼毘に聞いてみることにした
『荼毘ってどんな個性なの?』
「なんだよ、いきなり」
『荼毘と一緒に仕事し始めて1ヶ月経つけど私荼毘の個性使ってるとこ見たことないから…』
「まぁ、必要な時には使うさ」
『…そう』
あまりしつこく聞いても仕方ないから
軽く流してBARカウンターに肘枕をつく
『黒霧、喉乾いたわ〜オレンジジュースある?』
「はい、ありますよ。荼毘もいかがですか?」
「味覚ガキかよ、貰うけど」
黒霧がオレンジジュースを2つのコップに注いで私と荼毘に渡す
それ受け取って私は一口飲んだが荼毘はオレンジジュースの入ったコップをじっと見つめる
『飲まないの?』
「ストローないのか?」
『ブッ!どっちが子供よっ!?』
私はストローないとジュース飲まない荼毘の子供っぽい一面にお腹を抱えて盛大に笑い転げる。
『ストローないとジュース飲めないとか…ぶくくっ』
「飲めねぇとは言ってねぇ、けどストローないとジュースが鼻に入ってくるだろ」
『飲むの下手くそなの!?』
ヒーヒー言いながら笑っていると黒霧は荼毘にストローを渡し、荼毘は紙の小包装の中からストローを出してコップにさす
荼毘はストローを指で軽く撫でる
「……折り曲げるとこねぇタイプのかよ」
「いえ、折り曲げるとこあるタイプのをお渡ししたはずですが?」
『…折り目付いてる吸い口のほうオレンジジュースに浸かってるんですけどっ…ブフォ!』
荼毘の繰り出すわざとか!?と思うレベルのド天然に私の腹筋は完全に崩壊していた。
荼毘は黙ってストローを取り出し吸い口の方の折り目を折ってさし直す。
「……今のは、わざとだ」
視線が泳ぎまくる荼毘がボソッとそう呟いた
『いや、わざとじゃないでしょ!』
荼毘と一緒に行動し始めて分かったこと…
彼はクール系ド天然だ。