第29章 敵は味方のふりをして近づいてくる【義爛/シリアス】
私は自分のカバンを社長に渡すとカバンの中身を全て机に広げられた。
すると、カバンの内ポケットから入れた覚えのない巾着が出てきた。その中にはジップロックに入った白い粉。
社長がその白い粉の中身を確認した。
「……違法薬物、コカインだ」
『嘘……嘘ですよね!?私本当に薬物なんかやってません!信じてくださいっ!!その袋だって私のものじゃ
「高橋さん…あなたが薬物なんかに手を出す人だなんて思ってもいませんでした。私元教育係としてとても残念です」
『ポップスタンプ…先輩?』
「薬物も発見されましたし、早く警察に通報しなければいけませんね。通報してちょうだい」
ポップスタンプ先輩は隣にいた女の先輩にそういうとその人ははいと返事をして警察に電話をかけた。
私は、怒りが爆発して女の先輩の持っている携帯をはたき落した。
『……よくも!よくも私を嵌めたな!?あんた達がやったってことは分かってんだから!!』
「何を言ってるの?」
『とぼけないで!さっき給湯室で聞いたの!!私の悪口言ってたでしょ!?メイキング先輩が自分に振り向かないからって…私をっ……
「なっ…それは本当なのかね!?」
「社長!彼女は薬物の影響で幻覚を見てるだけです!!全て彼女の虚言です」
『虚言はあんた達の方じゃない!』
私は事務所でひとしきり暴れた後警察に拘束された。
その後二週間、ニュースでは私の違法薬物疑惑の話題で持ちきりだった。
警察立ち会いのもと行なった薬物検査の結果は陰性。
しかし、一部の報道では単純な「簡易検査キッドで行われた」と報じられていたが、警察と事務所の社長がそれを否定。
「しかるべき機関で検査を受けている」とコメントを正式に発表し、さらに「立ち会った弁護士が正式な鑑定書を保管している」と陰性の結果を得たと明らかにした。
その後色々と事実確認を行なった為長いあいだ拘束されたのち釈放されたが私の社会的地位は転落、もう事務所には戻れないと思い私はヒーローを引退して事務所を去った。