第28章 男なんて大嫌い!【爆豪勝己/裏】
「と、言うわけなんだよ」
「な、成る程…じゃあ僕マッサージ受けれないね」
シュンと肩を落とす出久。
「気を落とさないでよデクくん、私今度デクくんの代わりに楓さんに相談してみるからさ!」
「いいの!?ありがとう麗日さんっっ!!」
体育祭の時並みの大量の涙を流しながら喜ぶ出久に周りは若干引き気味。
「まぁ緑谷なら人畜無害っぽい感じだし、楓も心開いてくれそうだよね」
ニシシと笑いながら言う芦戸。
そうですわねと賛同する八百万。
さっき部屋に戻った筈の爆豪が玄関の方に向かってるのを出久が見かける。
「かっちゃん?」
出久は爆豪を追いかけて玄関へ向かう。
爆豪は靴を履いてどこかへ出かけようとしていた。
「かっちゃんこんな時間にどこ行くの?」
「うっせ、俺の勝手だろ!?付いてくんな!」
「楓さんのとこやろ?さっき爆豪くん楓さんの噂聞いとったもんな」
出久の後ろからひょっこり出てきたお茶子に図星を突かれる。
「だったらなんだってんだクソ丸顔!」
「クソ丸顔て…爆豪くん最後まで聞いてへんかったと思うから言っとくけど楓さんは
「No. 1ヒーローになれんなら俺は個性強化できるとか言うくだらねぇ噂のタネの女だろうと何だろうと利用するだけだ!」
「ま、待ってよ!かっちゃん!!」
お茶子の話も出久の呼び掛けも聞かぬまま爆豪は寮を飛び出して普通科の楓の部屋を目指す
「…よりによって高橋さんが一番苦手なタイプとしてあげてたかっちゃんが部屋に乗り込んでくるとか」
「もはや悪夢やな楓さん災難やわ」
爆豪を引き止めるのに失敗した2人はこの後飯田に見つかり強制的に自室に帰らされた
ーー楓の部屋ーー
ベビーオイルを使っての全身マッサージを終えて人肌温度のタオルで余分なオイルを拭き取る。
『はい、梅雨ちゃん終わったよ〜』
「ケ、ケロ…んぅ〜、ごめんなさい気持ち良すぎてつい寝てしまったわ」
『あはは、結構施術中寝る人多いから気にしないで』
「そうなのね」
『うん、じゃあ私ルイボスティー入れてくるから梅雨ちゃん着替えて待っててね』
「ケロ!楓ちゃんありがとう」
楓は施術用ベッドのカーテンを閉めルイボスティーを入れに行く