第24章 登下校の満員電車【真堂揺/微裏】
「へぇ〜楓ちゃんもヒーロー科なんだね」
『はい、個性はタイムストップです。自分に触れている人やモノ以外の時間を指を組んでる間最大30分まで止める事ができるんですけど使い過ぎると疲労によって眠くなって丸1日から3日くらい眠っちゃいます。だから実戦で使うにはちょっとリスキーなんですよね』
「確かに戦闘中に眠っちゃうと厄介だね、でもすごい強い個性だね!」
学校まで歩きながら交わす雑談。
私の個性を好きな人が褒めてくれる…こんな幸せな時間過ごして良いんだろうか?
今すぐ時間止めたいっ…!
そう思っていると学校の昇降口についた。
「じゃ、俺の下駄箱こっちだから…また一緒に登校しような!」
そう言って爽やかなウインクをする真堂先輩。
『はい、ありがとうございました!』
爽やか笑顔で手を振る真堂先輩と別れて教室に向かう。
話したのは初めてだけど、想像していた通りの優しい爽やか少年の真堂先輩…。
私は真堂先輩がもっと好きになった。
そんなある日の下校中の電車内…
横並びに2人で座席に座っていると真堂先輩が私の手を握ってきた。
「…楓ちゃん、俺楓ちゃんの事好きになっちゃった。」
『真堂先輩っ…私も、先輩のことっ…好きです/////』
そういうと先輩は私の頬に手を添えて顔を近づける。
車内はまばらに人がいる程度だが無人ではない。
私はグッと目を閉じ指を組む。
時の止まった車内で真堂先輩の唇が私の唇に触れる。