第24章 登下校の満員電車【真堂揺/微裏】
触れるだけのキスを交わし、唇が離れる。
「すごいね…時を止める個性だって聞いてたけど、人も電車も全部微動打にしない…これ30分こんな感じなんだね」
真堂先輩は指を組む私の手に触れながら、周りを見渡す
『あはは…まぁ最大30分って言ってますが、20分くらいで解ける時の方が多いですよ』
真堂先輩の顔つきがさっきまでとは別人のように鋭くなった。
「ふーん…そうなんだ。ねぇ楓、俺のこと好きなら俺の本心ごと好きになってくれるよね?」
『本心…?』
「俺本当は楓がずっと前から電車内で俺を見てたこと知ってたんだ。俺が楓にファーストコンタクト取った時も楓の生徒手帳を落とし物だと言ってて渡したけどあれ、人混みに紛れて俺が楓のカバンの中から奪ったものなんだ」
『な、何言ってるんですか真堂先輩…そもそもなんで先輩がわざわざそんな事を…』
「珍しい個性だから2年の間でも噂になってたんだよ。時を止める個性の高橋楓って名前の一年がいるって…だから、俺もその個性使って一度やってみたかったことを今実践に移そうと思ってるわけだ。」
『やってみたかった事…?』
「時間を止める個性で健全な男子高校生がやってみたい事って言ったら1つしかねぇだろ?」
真堂先輩は私の制服のトップスを捲り上げ、私の両手を捲り上げたトップスとともに片手で一纏めに掴む。
『いやぁああ!!』
「この状態で個性解除したらどうなるか、分かるよな?」
制服をまくられて外気にさらされるブラ越しに胸を揉まれる。
……こんな人、知らない。
この人一体誰なの?