第21章 もしも願いが叶うなら…【轟焦凍/切甘裏夢】
「…楓、俺のグッズ結構集めてくれてるんだな」
『えっ!?あ…/////お恥ずかしい…バレてしまいましたか!ショートが着替えてる間にトランクの中にグッズ片付けた方なんですけど////』
なんて言って彼女は顔を真っ赤にして照れる。
『…実は、私ショートの大ファンなんですよ〜
事務員として今の職場に決めた理由もショートが所属した事務所だって知って…ホントはヒーローとして隣で支えたいと思ったりもしてたんですが、私無個性ですからそんなことできないし…
嫌だ、なんか気持ち悪いですよね?こんな追っかけみたいな…』
「気持ち悪いなんて思わねぇよ…寧ろ嬉しい。楓は俺の事よく理解してくれていろいろ世話してくれるからすげぇ頼りになるしな」
俺が楓の頭をポンポンと撫でると車が少し蛇行した。
「おぉ、危ねぇな」
『ご、ごごご…ごめんなさぃぃ…////そ、そういうあの、不意打ちやめてくださいよぉ…/////』
こんな事で軽くパニックになる彼女が可愛くて俺は会場に着くまで彼女にちょっかいを出してしまう。
会場の裏口に着いた頃には開始5分前、イベントギリギリで間に合った。
『では、ショート。いってらっしゃいませ…帰りはご連絡頂ければ私がまた迎えにきますので』
「楓も一緒に来い。ここの駐車場3時間無料だからイベント中停めておけるだろ?」
『ですが、私ドレスコードじゃないですし化粧だって
「頼むからマネージャーとして来てくれ、こういうイベントは慣れてねぇから楓がいないと行く気になれねぇんだ」
『……分かりました。時間がありません、ショートは先に会場内へ向かってください。私は駐車場へ行って車を停めてきます。』
「…そう言って逃げねぇよな?」
『逃げません!信用してください!!』
「分かったよ」
俺は後ろ髪引かれる思いで裏口から会場内に入ってスタッフに挨拶するが、スタンバイが遅すぎると周りに怒られた。
今回のイベントは抽選で選ばれたショートファン100人との感謝祭パーティーという側面もあり、サイン会と握手会をした後会場内でファンとディナーをとるイベントだ。