第19章 真心を込めて…【飯田天哉/裏】
朝、雄英高校1年A組の教室…
この日の最初の授業は英語。
英語の宿題をやり忘れた私は、このクラスのクラス委員長であり優等生の恋人のもとを訪ねる。
『天哉〜!宿題見せて』
「君はまた宿題忘れたのか…はぁ〜良いかい?楓くん!宿題というのは自分でやるから意味がある事であって、人に見せてもらうというのは…
『そういうの良いからとっとと見せてよ、授業始まっちゃうでしょ?』
あぁコラッ!」
天哉から英語のノートを取り上げて、宿題として出されたページを写す
『さっすが優等生!ノート綺麗にまとめてあるねぇ〜感心感心っ!!』
「……全く、君という人は」
そう言ってため息をついていたが何だかんだ言って天哉は私に甘い。
頼めば大抵のことは折れてくれる。
「飯田ちゃん、あなた本当に楓ちゃんに甘いわね。
そういうとこ直さないと他の人達への示しがつかないんじゃないかしら?」
「うぬぅ、蛙水くんのいう通りだなごもっともだ。だが俺はどうしても彼女を目の前にすると…」
「惚れた弱みってやつね…自分のペースで直していって」
そう言い残して梅雨ちゃんは席に着いた。
程なくして一限目の英語がスタートしたのであった。
流れるように授業が終わっていってお昼の時間に…
私は天哉と一緒に食堂へ行ってご飯を食べる
私はオムライスで天哉はビーフシチューを食べている。
自分のオムライスを食べながら天哉のビーフシチューを見ているとなんかビーフシチューがすごく美味しそうに見えてきた。
人の食べてるものって何であんなに美味しそうに見えるんだろう?
『天哉のビーフシチュー美味しそうだね!ひと口ちょうだーい!』
「あぁ、良いぞ」
『やったね!』
天哉からビーフシチューの皿を受け取り食べ始める。
美味しすぎて一口が二口に、二口が三口に…どんどん食べ進めてしまう。
「ひと口ではなくないかっ!?」
『……あ、』
ビーフシチュー残りひと口分くらいを残し、ほぼ全部食べてしまっていた。
『ひと口だよ!……残ったのが』
なんて言って自分の作ってしまった気まずい空気を変えようとするも…
「……酷い」
『ご、ごめん…』
逆効果に終わった。
そして、私のオムライスを半分あげるよと言ったけど天哉はそれを断りビーフシチューの最後の一口を食べて食器を返却口へ返した