第4章 four!
「おい、星。」
「零くん!どうしたの?」
陣平くんと話していたら後ろから零くんの声が聞こえて頭の上に重さを感じる。感触でわかった、腕を乗せられているんだ。今からでも振り払いたいが無視をすることにした。
「今日、共有スペースに来い。」
「え、何、何??」
「勉強だ。」
なんてこったい!!!今からでも後ろへ倒れそうになったが零くんに支えられることになると思ったので足で踏ん張る。何故か隣の陣平くんは目を見開いていてびっくりしているらしい。私だってびっくりだよ。
共有スペースとは、寮での男女が集まれる売店以外で唯一の場所だ。ソファとテーブルが置いてあり憩いの場所となっている。一度は使ってみたいと思っていたがまさか零くんと勉強の為に使うなんて思っていなかったよ。
「晩御飯食べたあと?」
「あぁ、風呂も入って掃除もした後だ。消灯時間までやるぞ。」
ありがたいけれど、ありがたいけれど!!私は今日は休日にしようと思っていたがそんな甘い考えはいけないらしい。「まーまー。」と研二くんの声が零くん越しに聞こえてきて私の前に立った。人が良さそうな笑顔を見せながら。
「今日は良いんじゃない?……共有スペースで皆で喋らないか?」
「さっんせーーい!!!」
「お、おい!」
頭に乗せてある腕を降ろし、片腕を掴んだ。
握りつぶしたい気持ちがあるがそれをやったら私が握り潰されそうなのでやめておく。
「私ね、零くんと陣平くんと研二くん、景光くんに航ちゃんとそこの共有スペース使ってみたかったんだ!色んな人が出入りするらしいからどんな人が使っているのか楽しみだし!零くんとのワンツーマン授業はまた明日にしよう!」
「決まり、決まり!」と騒いでいると隣から「子供かよ。」と飽きれた声が聞こえてきたのでその人の腕の皮を捻っておいた。そして、頭にチョップがきたのは予想通りだ。