• テキストサイズ

きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第7章 愛の挨拶


朝ごはんを食べてるときに、智に考えていたことを話した。

「あのね、今日買い物に行こうと思ってるんだ」

「買い物?何買うんだ?」

味噌汁を啜りながら智が聞いた。

「楽譜」

「楽譜?ビアノのか?やっぱり楽譜ないと難しいか」

「クラッシックじゃない楽譜が欲しいんだよね。
お店の雰囲気的に、もっとカジュアルな曲の方がいいかなって」

「ふ~ん、そうなんだ」

「そういった曲が纏まってる楽譜集買いたいんだ」

「うん、わかった。
なら俺も一緒に出掛けるかな。
翔と洋服買い物に行った以来、スーパーくらいしか出掛けてないもんな」

「そうだね。
あ、それとね、今日から俺少し早く店に行くから」

「なんで?」

「ピアノの練習するから…
昨日ニノさんには許可取ってるんだ。
だから智が持ってる店の鍵貸して?」

「いいけど、今日は俺も一緒に行くよ」

「え?いいよ…そんな迷惑かけられないよ。
智は後からゆっくり来て」

「今日はさ、外で昼メシ食おう?
そのまま店に向かった方が、駅から近いだろ?」

「それはそうだけど…」

いいのかな…俺の都合に付き合わせちゃって。

「ひとりで出掛けたい?」

「えっ?」

智の言葉に顔を上げると、智が俺の顔をじっと見ていた。

「俺が一緒に行ったら迷惑?」

「ううん、そうじゃない…
俺が迷惑かけてるかなって…」

「ならいいよな?今日はデートしよ?」

「デ、デート?」

デートなんて…そんな…

「ははっ、真に受けるなよ…
言葉のアヤだろ?」

「そ…そうだよね…」

なんでだろ、顔が熱い…

そう言えば俺、デートもしたことないや。
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp