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きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第5章 子守唄


「で、最後にカットしたオレンジをグラスに刺して…」

「こう?」

「ん、それでいい」

俺がオレンジを飾り終わると智が微笑みながら頷いてくれた。

「ありがとう。じゃあお出ししてくるね」

教えて貰ったお礼を言って相葉さんの元へ…

「お待たせしました…」

「ありがとう、翔くん。美味しそうに出来たね」

「ニノさんや智に作って貰った方が間違いなく美味しいですよ?」

「いいんだよ、俺は翔くんの作ったカクテルが飲みたいんだから。
翔くんの作ってくれたカクテルだって引けをとらないよ」

そう言って相葉さんはカクテルを飲むと、笑みを浮かべた。

「ほら旨いっ」

「ありがとうございます」

お世辞だとは思うんだけどね
相葉さんの笑顔には嘘がない気がして、素直にお礼の言葉が出た。

「ねぇ、この店って日曜日お休みでしょ?
今度、食事に行かない?」

「え?あの、それって…相葉さんとふたりきり、とかですか?」

「うん、そのつもりだけど。駄目かな?」

「あ、いや、駄目とかではないんですけど…」

相葉さんが少し寂しそうな目をしたから、駄目とは言えなくて…

「急に言われても困るよね。
じゃあさ、俺が次来るまでに考えといてよ」

「はい…あの、でも何で俺?」

「ん?翔くんとゆっくり話したいなぁ、って思ってさ。
ここだと仕事の邪魔しちゃうし、客と店員の立場だと対等に話せないでしょ?」

「ええ、まぁ…」

「仕事抜きで翔くんと話してみたいんだよね」

「俺、相葉さんの話し相手になんてなれないですよ?
面白い話とかないですし…」

「ははっ!いいんだよ、そんな面白い話とかしなくて。
普通に翔くんと話したいだけだから。
そんな難しく考えないで?」

「はい…わかりました」
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