第13章 バースデーパーティー
家に着き、リビングのローテブルに智が紙袋を置いた。
紙袋の中から取り出した物は…
「青い薔薇…」
花束じゃなくて、ちょっと小振りなブーケ
「うん、プレゼント。今、ちょっと金欠だから相葉さんみたいにデカイ花束やれないけど…悪いな」
「ううん、嬉しい!ありがとう、智!」
「良かった…あんなデカイの見た後だからさ、喜んで貰えるか心配だった…」
「大きさじゃない。智から貰えるならなんでも嬉しいよ」
「ヘタくそな演奏でもか?」
「ヘタくそでも愛があれば最高な演奏だよ?」
「そっか…なら良かった。マジで難しいよな、ピアノって…ニノにこってり絞られたよ」
「ごめんね、俺の為に…」
「たまにはさ、返したいじゃん…
いつも翔に聴かせて貰ってばかりだから
愛情たっぷりの演奏」
「智への愛は尽きないからね」
「ふ〜ん…じゃあその『尽きない愛』、今日は身体で示して貰おうかな?」
ニヤっと笑う智…
「へ?」
また腕を掴まれ引き摺られるように寝室へ…
ベッドの前まで連れて来られると、そのまま押し倒された。
「智?ご飯は?」
「今日は抜き」
「なんで?」
「お前が相葉さんに赤い薔薇貰って嬉しそうにしたから」
「え?そんな理由?」
「そう…そんな理由。
他の男に『愛してます』なんて貰ってんじゃねぇよ」
「だって、知らなかったし!花貰ったら嬉しいじゃん!」
「ほぉ〜、やっぱり嬉しいんじゃねぇか…」
「嬉しいよ?でも智に貰ったのが一番嬉しいに決まってる。
俺の気持ち疑うの?」
そう言うと智がハッとした表情をした後、眉毛を下げ情けない表情をし、『はぁ〜』っと溜め息を吐いた
「ごめん…疑ってる訳じゃないんだ。ただの嫉妬。
駄目だなぁ…お前の事、もう絶対哀しませないって決めたのに…」