第13章 バースデーパーティー
「智これ…」
「あ、すみません。ありがとうございます」
帰る準備が出来た智に潤が紙袋を渡した。
「じゃあ、お疲れ
翔、今日は智に可愛がって貰えよ」
潤の意味ありげな言い回し
「え…あ、うん」
「智、そこそこにね?」
「わ〜ってるよ」
ニノさんもニノさんで意味ありげな言い回し
「行くぞ、翔」
智が俺の腕を取って歩き出す。
「あ、うん。おやすみなさい」
ニノさんと潤に向かって挨拶をし、智の横に並んだ。
「あれは手加減無しだな…」
「相葉さんも罪作りだねぇ…
本人 気にするだろうから言わなかったけど」
「ま、いいんじゃねぇか?
あんな高いグランドピアノ買って貰ったんだし」
「何回ローン組んだんだろ?」
「さぁねぇ…相当だろ?だから少し出してやるって言ったのに、あいつそこだけは頑として譲らないんだよ」
「愛だねぇ…潤使ってまであれ買いに行かせるし」
「愛だな」
「じゃあ、その愛受け止めてあげないとね、翔」
「だな。カズももちろん受け止めてくれるんだろ?俺の愛」
「もちろん…」
ふたりがそんな会話をしてることなんてつゆ知らず…
智に腕を掴まれたまま歩き続けてた。
「智…」
「なに?」
「あのさ、腕じゃなくて手がいいな」
そう言うと智の視線が腕に向いた
「えっ?あっ、ごめん」
漸く腕を解放され、そのまま手を握られた。
「これでいい?」
「うん、いいっ」
智の手を握り返し、家まで歩いてく。
今度の店は前の店よりちょっと遠いから、今までよりも長い時間智と手を繋げる。
ちょっと…いや、だいぶ嬉しいかも。