第13章 バースデーパーティー
「智…」
智が強く俺を抱きしめた
「哀しい思いさせたくないのに…結局俺がいつも哀しい思いをさせるんだよな…」
「智…あのね、哀しい思いをしないなんて無理だよ…
俺が智を好きでいる限り、俺は哀しい思いをすると思う。
それって智もそうじゃないの?」
「翔?」
「だって今の嫉妬もそうでしょ?
俺のこと好きだから、誰かに嫉妬して哀しい思いをする…
好きな想いが強いほど、哀しい想いもしなきゃいけない…違う?
好きだからこそ、それと同時に他の感情を知ることが出来るんだ
俺は智を好きになって、それを知ったよ?
嬉しいも…哀しいも…楽しいも…苦しいも…全て
智を好きになったからこそ、今まで以上に感じることが出来るようになった
だから今の俺の演奏は心を届けることが出来る
マイナスの感情を知るのは悪い事だけじゃないよ…
より、人を愛おしく想える…
より、人に優しくなれる…
智やニノさんや潤や相葉さんに出逢って、俺は人との繋がりを学んだ
人の優しさが人を強くする
智に愛されて俺は強くなったよ?
だから、智…俺を哀しませたくないとか考えなくていいいいから
智に愛されてさえいれば、俺はどんな哀しみにも耐えられる強さを持つことが出来る」