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きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第13章 バースデーパーティー


カウンターの中で座り込み、再び姿を現したニノさんの手にはバースデーケーキが。

「綺麗…」

ケーキの上には五色のロウソクが五色の炎を灯してる。

「でしょ?年の数だけ挿しちゃうとさ、ケーキが崩れちゃうじゃん
だから見た目重視にしてみた」

ニノさんがテーブルにケーキを置いた。

「ありがとうございます」

赤、青、黄、緑、紫の五色の炎に見惚れていると、少し堅い音色のバースデーソング

ピアノの方へ振り向くとそこには緊張した顔の智が…

「智⁈」

驚く俺の横にニノさんが立つ。

「隠れて練習してたんだよ?翔に聴かせるんだって…
よくもまぁ、恥ずかし気もなく出来るよねぇ。
プロの腕前の翔に聴かせるなんてさ」

揶揄う口調のニノさん
でも、智を見るその視線は優しくて、智を応援してくれてるんだとわかる。

辿々しく奏でられるピアノ…
智の真剣な表情が、どれだけ俺の事を想って弾いてくれているのかが伝わってくる。

演奏が終わると智が『はぁ〜』っと大きく息を吐いた。

智が椅子から立ち上がり俺の前まで来ると苦笑した。

「お前は、また…」

智の手が俺の頬に触れ、そっと涙を拭った。

「智のせいだよ…
智が下手くそな演奏聴かせるから」

「そっか、ごめんな。じゃあ、好きなだけ泣け」

フニャっと笑った智が俺を抱きしめる。

「うぅ〜、さとしぃ…ありがとぉ」

あなたの気持ちが伝わる素敵な演奏…
今まで聴いたどんな演奏よりも最高の演奏だったよ。
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