第13章 バースデーパーティー
店のドアが開き、潤と相葉さんが姿を見せた。
「いらっしゃい」
ニノさんがふたりを迎える
開店まではまだ早い時刻
「どうだ?翔、気に入って貰えたか?」
「もちろんだよ。こんなに立派なステージまで」
「お前の演奏を披露するんだからな。これだって狭いくらいだよ」
「翔くん、お誕生日おめでとう!」
相葉さんが両手いっぱいの薔薇の花束を差し出した
「ありがとうございます」
「へぇ、赤い薔薇ねぇ。相葉さんまだ翔のこと狙ってんの?」
「ちっ、違いますよ!翔くんには赤が似合うと思ったから」
「それならいいんだけど」
赤い薔薇に何か意味が?
「智なら何色贈る?」
「俺?俺が翔に贈るなら青かな?」
「なるほど…智らしい」
青が智らしい?
「あの、ニノさん。色に何か意味が?」
「知らないの?色によっても花言葉が違うんだよ?赤はそのまんま『愛してます』とか、愛情を伝える意味が強いね」
赤が『愛情』なのに智は赤をくれないんだ
「じゃあ、青は?」
「青は『夢叶う』とか、『奇跡』とか、『神の祝福』だね。
智は翔に出逢えたことを『奇跡』だと思ってるってことだろ?
それかふたりのことを神が祝福してくれてると思ってるとか?
意外とロマンチストなんだよねぇ」
「うるせっ!悪いか」
「ははっ、悪かないさ。
ただそれをちゃんと翔に伝えてやりなさいよ?」
「わかってるよ…」
「さ、時間無くなるから始めよっか」
そう言ってニノさんがカウンターの中に入って行った。