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きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第2章 幻想曲


「美味いっ、ありがとう櫻井くん」

「いえ、こちらこそ飲んでいただいてありがとうございます」

頭を下げ相葉さんにお辞儀をすると相葉さんにいつもの爽やかな顔が戻った。

「今日はもう帰るね…マスターまた来ます」

相葉さんがカウンターにお札を置いた。

「ありがとうございます」

ニノもお辞儀をしてお札を受け取ると相葉さんが席を立った。

「じゃあ、また」

立ち去ろうとする相葉さんに慌ててニノが声を掛ける。

「相葉さん、お釣…」

「ああ…いいの、いいの、櫻井くんが作ってくれたカクテル代だよ」

相葉さんが翔の方を見て微笑んだ。

「あれはただの水です…」

「それでも美味かったから、それのお礼…ありがと」

「いいえ。出すぎた真似をしてすみませんでした」

「ふふっ、いいって。あんまり恥ずかしい姿晒したくないから止めて貰えて助かったよ。じゃあ…」

相葉さんが手をあげ歩き出すとニノはカウンターから出て相葉さんを店の外まで送った。

ニノはカウンターの中に戻って来ると翔の頭をくしゃくしゃっと撫でた。

「ありがとう、俺も助かった…」

「いえ…」

「相葉さん、翔のこと凄い褒めてたよ」

「でもお客様に対してあんな態度取るなんていけないのでは?」

「ん、本来ならね?俺もどうしようか迷ってた。
でもさ、この店に絶対こうしろってルールはないから。
俺だって客に説教することあるし。
だからその時その時で対応していいよ?
何かあったら智が助けてくれるから」

「…わかりました」

「なんで俺なんだよ」

「暴力で来られたら俺無理だもん。
それに翔の指導係りは智でしょ?」

「はぁ…人使いの荒いマスターだな、おい…」

「ふふっ、よろしくね…智」
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