• テキストサイズ

きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第9章 愛の夢


「ごめんな」

「え、なにが?」

「いや、俺…翔が俺のこと好きだって言ってくれたから、勝手に恋人になったつもりでいた」

「ううん、それならそれで全然いいんだよ?
ただ、智が今までと変わらないから
気持ちが通じるのと付き合うのは別なのかなって思っただけ」

「あのな?変わらないんじゃなくて変わらないように努力してんの」

「どういうこと?」

翔が首を傾げる。

「だからぁ、さっきも我慢できなくてキスしちゃっただろ?
本当はお前のこと抱きしめたいし、キスだってちゃんとしたい…
でもすぐにそんなことして、体目当てだって思われたくないから
帰ってきてから、ず~っと俺は我慢してんだよ」

「なんだ…」

翔がポツリと呟いた。

「なんだってなんだよ」

「だって俺だけが智に触れたいと思ってるのかと思ってた…
だから智の想いって、その程度のモノなのかなって…」

「そんなわけないだろ…
俺がどれだけ耐えてるのか、見せられるものなら見せてやりてぇよ…」

「あのね、智…耐えるとかしなくていいよ?
なんかさ、反って寂しかったりするから…
料理してるときも、智がお風呂に行ったときも、俺、避けられてるのかなぁ、って哀しくなった…
だから、智は智の思った通りにして?」

そうだよな…折角両想いだってわかったのに、その気持ちを抑える必要なんてないんだよな。
翔を守るつもりでとった行動が翔を哀しませてた…

「ごめんな…翔」

「なんでまた謝るの?もう謝ることないでしょ?」

「哀しい思いさせたから」

「もういいよ…
それだって俺のこと思ってくれたからだし。
でもこれからは、智の気持ちをそのまま伝えて欲しいな」

「うん…嫌って言うほど教えてやるよ、俺の気持ち…」
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp