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きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第8章 カノン


「子供じゃないし…」

「俺だってばあちゃんじゃねぇし」

「別に智のこと本当におばあちゃん、って思って言ってる訳じゃないじゃん。
ただおばあちゃんみたいに、物知りだなって思って言ってるだけで…
俺の場合は褒め言葉だよ」

「もっと他の褒め方あんだろ。
大体さぁ、お前、昨日相葉さんが『おじさん』って言ったとき必死に否定してんのに
なんで俺が『ばあちゃんじゃねぇ』って言い返したらふて腐れてんだよ」

「ふて腐れてなんかないよ…」

「ふて腐れてんだろ。
こんな顔しといて、ふて腐れてないなんてよく言えんな」

智が笑いながら、俺の頬っぺたを指で突っついた。

「智が子供扱いするからじゃん…」

「そんな脹れっツラするんだから子供だろ?」

いつもは大好きな智の笑顔なのに今は見るのが哀しい。 
やっぱり智にしてみれば、俺なんか子供なんだ、って思い知らさせる。

「なんだよ…怒ったのか?」

俯く俺の頭に手を乗せた。
その声色から、智が俺を心配してるのがわかる…

こんなんじゃ、子供扱いされてもしょうがないよな。

「怒ってないし…子供扱いされたくらいで怒らないよ。
そういう智だって年寄り扱いされて怒ってんじゃん」

「怒ってなんかないよ。
なんでほぼ同じ年の相葉さんは『おじさん』じゃなくて
俺は『ばあちゃん』なんだ?って話をしただけだろ?」

「え?そうなの?」

「なにが?」

「相葉さんと智って、同じくらいの年なの?」

「あぁ、たしか俺の1コ下じゃね?
ニノと同い年だって前に聞いた気がする」

「え⁉智、ニノさんと相葉さんより年上なの?」

「はぁ?お前、俺のこと何歳だと思ってんの?」

「え…25才くらいかと…」

だって見た目若いし…
だから、そんなに年変わらないのに、子供扱いされるの嫌だったんだけど…
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