• テキストサイズ

きみに届けるセレナーデ 《気象系BL》

第7章 愛の挨拶


「俺から提案してんだよ?
なのに俺が嫌な訳ないじゃん。
翔が嫌ならハッキリそう言えよ。
そうすれば、俺も無理に話し進めないからさ」

智が眉毛を寄せ、少し寂しそうな表情をした。

「嫌じゃない!」

少し大きな声を出してしまった。
だって誤解されたくない。

「翔?」

今度は少し驚いた表情をする智。

「ごめんなさい…
ほんとは凄く嬉しいんだ…嬉しいんだけど、智に迷惑掛けたくないから…」

俯いた俺の頭を智が撫でるから、俺は視線だけをあげ智を見た。

「さっきも言ったけど、俺がそうしたいと思ったから言ってるの。
だからさ、お前はお前がしたいと思うことを言っていいんだよ?
自分の気持ちを殺すなよ…お前の話しはちゃんと聞くって言っただろ?」

智が優しく微笑んでくれたから、俺はコクンと頷いた。

「ありがと、智。
俺、智と一緒に寝るの好きだよ…だから大きいベッドに買い替えよ?」

「いいコだ」

ワシャワシャと俺の頭を撫でる智の顔が、嬉しそう。

「さてと、どれにする?」

「ん~、今のベッドの硬さいいと思うけど」

「試していってみるか」

ふたりで並んでベッドに寝転がった。

「これは?」

「ちょっと軟らかいかな…」

「んじゃ次…」

次から次へとベッドを替え、試していく。

「ふふっ…」

智が突然笑い出した。

「どうしたの?」

「なんかさ、ふたりでベッド選ぶって新婚みたいじゃね?」

寝転んだまま、智がこっちを向いてそんなことを言うから、急に恥ずかしくなった。
/ 243ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp