第2章 出会い
─朔哉side─
目的地は聞いてねぇけど迷子にならねぇように後を付いて行くと食い物屋が並ぶ通路に来ていた。
まだ駅構内だよな?地下降りてねぇよな?
軽く困惑しながら周りを見渡していると
「お腹空いてない?何か食べたいのとかある?」
そう聞かれ相手を見るも何があるかなんて知る由もなく…と案内板が目に留まる。
それに相手も気付いたのか案内板へと足を向ける。
俺はあまり外に出る人じゃねぇけど気紛れで気分重視でその店に入ってるってタイプなんだよな。
だから好き嫌いは特にねぇから別に何でもいいかな?って思ってたんだけど…種類ありすぎるだろこの駅!
しかも色んな食い物の匂いが混ざってすきっ腹な俺にとってはある意味嫌がらせされてる状況で。
食い物の事考えてたせいかやってしまった…!
鳴り響いたぐうの音…。
気付いた時には時すでに遅しってやつ!!!
手は握ったままだし、真横に居るし、これって俺が恥ずいやつ…!!
すぐにでも逃げだしたかったけど手握ったままだし色々と無理だった。
兎に角気付いていませんようにと願いながら視線を逸らすように羞恥から顔を赤くしながら俯いた。