第7章 ★はじめての発情期(朔哉×天)
その時気付いた。
身体は勝手に動くから下手に悩まず身を任せればいいのだと。
まさかその事を朔哉に気付かされるとは思わなかったけど。
触れるだけのキスをしてそっと離れると朔哉は吃驚した顔をしていた。
天「…ボクの名前呼んで…嬉しかったから。」
朔「!……っ…。」
?完全に声が出る訳じゃないのかな?
天「ゆっくりでいいよ。」
そう言って微笑むと頷く朔哉。
朔哉は普通に会話するように息を吐いて声を発しようとする。
でも言葉になる前に聞こえなくなる。
ついさっきボクを呼んだ声もやっと絞り出たようなそんな声だった。
でもこの感じ声変わりする時に似てるような気がする…?
段々声が変わっていって自分の元の幼い声と違う声に誰もが吃驚する。
天「…朔哉って声変わり…した?」
朔「?」
そう尋ねるとポカンとした顔をしながら首を傾げる朔哉。
…今まさに大人になろうとしているのか。
天「分からないならいいよ。」
そう言って朔哉に触れようと思った時再び顔が近付いて来たと思ったら…
耳を甘噛みされたと同時に意志とは反して声が漏れてしまう。
痛くはないけど突然の事にボクの思考が追いつかない。
当の本人を横目で見るとやめる気配は無く、それどころか甘噛みに留まらずまるで味わうかのようにボクの耳全体を舐め始めた。