第7章 ★はじめての発情期(朔哉×天)
あまりの擽ったさに身体を捩りながら逃げよう試みるけどボクの身体はその先の快楽を求めている気がした。
なんだかいつもよりもまだ熱が篭ってるような…まさかついにボクにも発情期が…!?
とても擽ったい上に焦れったいんだけど、そもそも朔哉がヤり方を知っているとは限らないわけで…もし発情期が来たとしたならちょっと…いや、かなり辛い…。
…一か八かかな…。
天「…朔哉…」
朔「…?」
天「ボクを…抱えて風呂場に行ける?」
そう問いかけるとキョトンとしながら頷くと壊れ物を扱うかの様にそっとボクを抱え上げ横抱きした。
そのせいで朔哉との距離が近くなって思わず逸らしてしまう。
ふと揺れる尻尾が視界に映る。
普通の人間には無いその尻尾に見入ってしまう。
朔哉は本当に尻尾を器用に使う。
さっきのゴムの箱といい、こうしてボクを抱えて両腕が塞がっているのに風呂場の戸を開けたり、椅子を持ち上げて置いてくれたり…。
……今は朔哉の事しか頭にない気がする…。
意識してしまうと身体が熱くなる…!
椅子にそっと降ろしてくれると尻尾を揺らしながらボクを見て来る朔哉。
あぁ。言葉を待ってるのか。
ボクの言葉を…。
でも…なんて言えばいいのか…分からない。
下手に決めつけて発言すれば相手を傷つけてしまうし、ボクだって同じ事されたら…嫌…かな。
そう思いながらも言葉は見つからずに俯いてしまう。
水でも浴びたら少しは熱は収まるだろうか?
モヤモヤした気持ちも水と一緒に流れてしまえば幾分か楽になれる…?
ここまで心を掻き乱されるなんてボクらしくないけどそうなるのは相手が朔哉だからなのかもしれない。