第5章 未知の世界
そんな事を悶々と考えてると
百「朔哉の調子どう?」
なんて声が聞こえたと思えば濡らしたタオルと水分を持ってボクの隣にやって来る。
そんな百さんの声でも起きないし、ボクが着替えさせても起きない。
それどころかベッドの上なのに寝返りすら打たない。
聞こえるのは彼の寝息と時々魘されてるのか唸るような声だけ。
無防備と言うか…隙だらけなんじゃない?
まぁ病人だから仕方ないけど、正常時もこうだったら色々と大変な気がする。
天「今は見ての通り爆睡して動きません。」
百「風邪では無さそうだけど…何で熱が下がらないんだろうね?」
彼の体温計は39℃を超えていた。
汗をかくのは魘されてる時が一番凄かったけど、何にそんなに魘されているのか分からないし苦しそうで見てられなかった。
それから何をしても起きなくて彼はそのまま丸2日眠っていた。
─2日後─
─百side─
あれから朔哉は一度も起きる事無く眠り続けている。
朔哉の熱は少しずつ下がって来ていたけどそれでも今朝計った時は38℃前後だった。
今日は1日中収録がある。
前回中止になった収録の再開と別番組のゲストで収録。
今は出来るだけ傍に居てあげたいけど…年末もすぐそこまで来ていてRe:valeもTRIGGERもそれなりに忙しかった。
寝ている朔哉を優しく撫でながら後ろ髪引かれる思いでテレビ局へと向かった。