第5章 未知の世界
─百さんの家─
百さんの家に着くと安堵したのかスイッチが切れたかのように倒れ込んでしまった彼。
やっぱり無理をしていたのか。
百さんが彼を寝室へと運んで寝かせる。
ボクに今出来る事と言えば看る事くらい。
出来ればあまりそれはしたくない。
時々彼が陸と重なって見えてしまうから。
彼が汗をかいている時は百さんと交代で身体を拭いて着替えさせる事にした。
そしてボクが着替えさせている時気付いてしまった。
出来ればそれは知りたくなかった…。
彼がまだ精通を終えてない事と亀頭球を持っている事。
それは2つの未来が確定した事になる事を意味した。
1つは彼が精通するまでボクと彼が番にはなれないと言う事。
そして2つ目は……
彼が精通し、ボクと番になった時…
ある条件を満たし性交した時ボクが100%の確率で妊娠すると言う恐ろしい未来が待っていると言う事。
遅かれ早かれ彼は精通を迎えるだろう。
それは別に誰もが通る道だから構わない。
問題はその後の話だ。
もし、もし仮に彼と番になったとして性交したら妊娠は避けれない。
それはアイドルであるボクにとって致命的な事だ。