• テキストサイズ

恋のかけら…知りませんか?

第5章 未知の世界


彼の見張り?も兼ねて観察していると外が気になるのか窓に張り付いている。

まるで小さな子どもみたいだ。

静まり返る車内だから色んな音が良く聞こえる。

軒を連ねる店の中にボク達のデビュー曲『DIAMOND FUSION』がMV付きで流れている店があるみたいだ。

すると彼もそれに気付いたのか曲に合わせて2本の尻尾でリズムを取るように揺れているのが視界に映る。

何度も繰り返し流れて来る曲に最初は尻尾がただ揺れているだけだったけど、ボクの歌うパートになると分かりやすく反応しているのが分かった。

最初は偶然かと思ったけど尻尾の揺れ方が違うしMVを食い入るように見入っている。

…本物のボクは隣にいるんだけど。


何故か気を逸らさせたいと思い気が付くと彼の尻尾を掴んでしまっていた。

するとビックリした彼がボクの方を振り向いて涙目で睨んでいた。

(ヤバい…怒らせた…。)

気まずくなって視線を逸らすと同時にボクの視界がぐるりと変わった。

理解するより先に涙目の碧い瞳が視界に映る。

両肩を抑えられボクの上に彼が居たのだ。

余程痛かったのか熱があるくせに押し返せないでいた。

天「わ、悪かったから落ち着こう…?」

彼を宥めようと話しかけた時だった。


車の鍵が開く音がした。


/ 95ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp