第5章 未知の世界
躊躇してた時だった。
彼が目を覚ました。
朔「……?」
周りを見ながら状況を確認しているのだろう。
………。
“…ここどこ…?”
スマホのメモ帳にそう入力して見せて来た。
天「百さんの車の中でボクとお留守番。」
そう言うと納得したのか大人しくなるも少しそわそわしてる。
トイレにでも行きたいのかな?
天「…百さんが着ている服の素材知りたいって。」
朔「?」
天「ポリエステルとか綿とかあるでしょ?」
朔「???」
天「…ちょっと上着見せて?」
最初からこうすれば良かったと思いながら上着を借りてタグを見る。
薄めのコートだからかシルクと書かれている。
シルク…。
…肌触りがいいものって事なのか?
そう思いながら彼をみるとある事に気付く。
この寒い冬にセーターもマフラーも着ていない。
つまり虎になれるから薄手のもので充分と言う事か。
天[毛糸やポリエステルは避けて、シルクとか綿とか肌触りのいいものがいいみたいです。]
百[朔哉の見ちゃったの?]
天[見てません!(怒)]
天[それとトイレに行きたい素振りを見せてます。]
百[折角のチャンスだったのにね?]
百[一旦戻るから待ってて?]
天「百さんもうすぐ戻って来るからもう少し待てそう?」
そう問いかけると小さく頷いた。