第3章 雇い主
楽の質問に嫌な顔1つせず丁寧に説明した彼。
書き終えるとボク達に見せてくれた。
おかげでボクが気になっていた部分も解決したけどそれでも彼には謎が多すぎる。
そして暫くの沈黙の後…。
楽「…そうなのか。いきなり色々聞いて悪かった。俺は龍に連れて来られただけだから、お前の事をちゃんと知りたかったんだ。」
彼の事を気に入ったのか、珍しく詫びを入れながら丁寧に受け答えする楽。
彼も特に気にしてはないのかただ頷いただけだった。
龍「俺も聞きたい事はあるんだけど…体調は大丈夫なの?」
楽・天「!あ…。」
軽く忘れてた。
当の本人は最初に会った時より全体が赤くなっていていつの間にか2本の尻尾も消えていて机の冷たさを求めるかのように突っ伏していた。
天「!まだ熱が上がってる!」
楽「何で分かるんだよ!?」
天「逆に見て分からないの?ボクより肌が赤いでしょ!」
ボクに言われて彼を見る2人。
龍「本当だ!さっきより赤身が増してる!」
天「百さんとの約束もあるし、一旦ボク達の楽屋に連れて行こう!」
龍「分かった!じゃあ朔哉君だっけ?ボクがおぶって連れて行くよ。」
天「そうだね。じゃあお願い。」
そう言うとボクも机の上にある紙を全て手に持つとRe:valeの楽屋を後にした。
彼の秘密は知られてはならないし、なによりまだ気になっている箇所が幾つかあった。
彼の言うその時はいつなのか
何故悪い奴の耳に入ると居られなくなるのか
何故秘密を話すと彼に分かってしまうのか
自分達の楽屋に移動しながら考えていた。