第3章 雇い主
するとその様子を見ていた龍と百さんも
彼の事を話さないと約束した。
とここまで来ると楽も渋々といった感じで約束した。
全員が約束したのを確認した百さんは彼にこう言った。
百「朔哉!」
朔「?」
百「約束の事もあるけど、暫くオレの手助けをしてくれないかな?」
そう言われると彼は紙に書いて尋ねた。
“具体的な内容と期間は?”
百「期間は取り敢えず2年。手助けと言ってもオレが苦手な事をちょっと手伝って欲しいなって…」
“苦手な事?”
百「これは恥ずかしいからあまり言わないで欲しいんだけど…」
そう言うと百さんはボク達に聞こえないように彼の耳元で内緒話をした。
すると
“それは俺の得意分野だから問題無いけど俺は決まった住む場所が無い”
と紙に書いた。
百「じゃあ朔哉の住む場所はオレ名義で借りよう!勿論家賃諸々もオレ持ちで!」
それを聞くと流石にビックリした顔で百さんを見る彼。
ボク達も正直ビックリしてるけど。
百「まぁ報酬って思ってくれればいいよ。」
“でも都心での暮らしは凄く金が掛かるって…”
百「お金の心配はいらないよ。オレがその分も稼いで売れればいいだけだし♪」
“……後で請求とかされても俺は金持ちじゃねぇからな?”
百「朔哉はオレのお願いを聞いてくれるだけでいいから♪」
百さんがそう言って得意のウィンクをすると彼は少し悩んで頷いた。