第3章 雇い主
彼が必死で何かを伝えようとしているのはよく分かる。
ボクなら…
!紙に書けばいい…!
そうと分かれば
天「百さん!紙とペンありますか?」
朔「!」
百「あるよ!」
そう言うと机の上にあった紙とペンを彼に手渡す百さん。
すると彼はゆっくりと体を起こすとペンを取りゆっくりと伝えたい事を紙に書き始めた。
白い虎は俺
でも、見た事は誰にも内緒
その時が来るまで
誰にも内緒
だから、今日見た事は
他の人に話さないで欲しい
その事が悪い奴の耳に入ると
俺はここに居られなくなる
だから、俺と約束して欲しい
俺が、いいよ。って言うまでは
ここにいる奴等と俺だけの秘密
もし、話したらすぐに分かるから
その時きっと俺は
そいつを殺めてしまうから
そのくらいの凄く大切な事
彼はそれだけ書くとボクを含めた4人に見せてくれた。
そしてその紙を読み終えると彼以外の顔が強ばる。
天「彼は有言実行するタイプだよ。」
そう言うと彼は頷いた。
楽「マジかよ…?」
天「さっき彼の力を目の当たりにしたし、もし彼が今みたいに不調じゃなかったらボクは骨が砕けていてもおかしくは無かった。」
楽「なっ!?」
天「兎に角ボク達が彼と約束をしてそれを守れば問題無いって事。そうでしょ?」
そう言いながら彼を見つめるとボクを見て微笑んだ。