第3章 雇い主
百「…天って体重どのくらいある?」
と、彼をお姫様抱っこした百さんが尋ねる。
天「?何でそんな事?」
百「すっっごく軽いんだけど!?」
百さんの腕の中でぐったりしているαの彼。
百「楽屋より病院に連れてった方がいいかな!?」
天「…取り敢えず待機でしょう?」
落ち着いて下さいと言いながら楽屋の戸を開けて入るように促す。
百さんが楽屋内に入ると同時に気を失っている筈の彼と一瞬すれ違う。
天「えっ…!?」
思わず声に出てしまった。
楽や千さんと比べ物にならない彼の匂い。
気を失っていてこれだけの…。
彼が目を覚ましたらボクはまともでいられる気がしないと確信してしまった。
─Re:vale楽屋内─
百「ユキはまだ戻ってないみたいだね?」
そう言いながら朔哉をゆっくりとソファーに降ろして寝かせてやる百。
天「百さんと彼は知り合いなんですか?」
百「オレの知り合い経由で朔哉の事を知って、ラビチャで話した事はあるけど会うのは今日がはじめてで、いい子だったら天に紹介するつもりだったんだよね。」
天「ボクに…ですか?」
百「勿論お互いに相性とか承諾とか色々必要なものはあるけどオレは朔哉と天はお似合いだと思うんだよね。」
淡々と話す百さんは彼の背中を摩りながらボクを見ると微笑んだ。
百「だからまずはオレの助手をしてもらおうかなって思って呼び出したんだよ。そうすれば朔哉の事色々分かるし。あ、勿論ユキの許可はもらってるし浮気じゃないからね!?」
……本当に百さんは何を考えているのか分からない。