第3章 雇い主
─同刻・バーガー店内─
─壮五side─
僕は今朔哉くんの事で頭がいっぱいだ。
特に去り際のあの言動。
どうしてそんな事が分かるのか?
本音を言えば今すぐにでも聞きたい!
でも…用事があるって言ってたし…。
貰った紙切れを読み込ませればすぐに追加される。
そんな簡単な事が出来ずにいた。
紙を翳して眺めていると裏面に何か書いてある事に気付く。
……家紋?
何かのマークが印字されていて確かにその紙切れはそんなに何枚もは無いのだと証明された。
あるとしても元々彼が必要数しか作っていないと言う事になる。
“俺は誰にでもは教えねぇから。”
朔哉くんは嘘をついていない。
その事が証明されると何故か嬉しく思った。
家紋と検索をすると画像がズラリと出て来る。
今よりも遥か昔からあるのだから当然と言えば当然なんだけど種類が沢山…。
紙と見比べながら探して行くとふと疑問が浮かぶ。
家紋は有名な偉人や武士達の家系にあるもの…?
でも朔哉くんはフルネームだと星咲 朔哉。
『星咲』なんて名前がそんな遠い昔からあるのだろうか?
マイナーだからあまり知られてないとか?
あ、いや悪口とかじゃなくて!
佐藤とか田中とかよく聞く名前では無いし…。
でも家紋?らしきものは星のマークにも見えなくはない…。
また謎が増えたよ朔哉くん!!