第3章 雇い主
楽屋まで後少しという所で突然座り込んでしまった朔哉に狼狽えながらも声を掛けるが返答は無く周りを見渡しても自分達しか居ない。
取り敢えず凄く苦しそうなのは分かる。
でも言葉が通じない以上どうしていいか分からない。
幸か不幸かまだ収録開始な時間にはまだ余裕があると言うより準備に手間取っていると言うのが正しい。
そう言えば今日の共演者にTRIGGER居なかったっけ?
そう思ったのと同時に見知った姿を見つけた。
TRIGGER…の天!
百「天!!」
いつもみたいに大きな声で呼ぶ。
天「百さん?どうかしたんですか?」
百「知り合いの子が突然動かなくなっちゃって…。でもオレどうしたらいいかよく分かんなくて…。」
天「それいつの話ですか?症状は?」
百「え?えっと…5分くらいになるかな?凄く息苦しそうだったから声掛けたけど反応無くて…そう言えばさっきより体が熱いような…?あ、天は近づかない方が…」
天「!…αなんですか?」
百「多分。しかもユキ並みの。」
天「そう言うのは早く言って下さい!」
まだ百さん達と距離があったから匂いに当てられずにすんだけれど楽や千さん並みのαが突然…
突然?息苦しそうだった…?それって……。