第2章 出会い
僕も迷いに迷ってセットを頼んで彼の待つ席へと向かう。
テーブルの上には彼が頼んだバーガーや飲み物の他にスマホをはじめスケッチブックと筆記具、そして何かの参考書らしきものが見えた。
僕と同じ学生かな?でも彼のような特徴的な容姿をしていれば知らない筈が無いんだけど…他校の生徒かな?
更に増える謎を思考しながら席に着くと向かい合って座る。
それに気付いた彼は僕の方を見て微笑むもすぐにスケッチブックに視線を移し何か書き始めた。
何を書いているのか気になって様子を伺っていて気付いたのは彼が両利きである事。
と言うのもさっきまでは確かに右手で文字を書いていたのに今目の前で書いている手は左手だった。
普通に考えて右利きの人間が左利きにする事なんて滅多に聞かない。
となると考えられるのは彼が元々左利きで右利きに直し両利きになったと言う事だ。
まぁ事実は本人にしか分からないけれど。
そうこうしている間に揚げたてのポテトが運ばれて来た。
店「お待たせいたしました。熱くなっているので気を付けて下さい。」
「ありがとうございます。」
店「ごゆっくりどうぞ。」
そのやり取りに気付いたのか手を止めるとペンを置き、1枚捲ると
“食べ物を記録したいから写メを撮っても大丈夫?”
と了承を聞いて来た。