第44章 初雪の夜ーR18ー(秀吉)
秀吉の何かを思う声音を感じ取ったのか、
華月が言った。
「初雪…花びらみたいですね?
こうやって、桜の花も見ましょうね、秀吉さん」
「…華月」
「冬も、春も、そして、夏も秋も、ずっとこうして変わりゆく季節を2人で見よう?」
優しい想い。
それを聞いた秀吉は後ろから抱きしめていた華月の肩に顔を寄せて、抱きしめる力を強くした。
(叶えてやりたい…いや、叶えてやる)
「華月…俺は、天下統一に邁進する信長様だけを慕って生きて来た。
…でも…お前が現れて、お前を愛した…」
「どっちも選べないって事ですか?私は、こうしてられる一瞬があるだけで幸せですよ」
か弱そうに見えて、強い心を持つ華月は秀吉の心をも時に強くする。
「…華月、いつもありがとうな」
「私は何もっ。
ただ、秀吉さんの傍にいたいだけだよ」
照れた様に笑う華月の頬に唇を寄せた。
「お前はホント、可愛いな」
「甘やかし過ぎだよ」
「もっと、甘やかしたい。良いか?」
「…////…どうやって?」
羞恥に期待の混ざった華月の顔。
「こうやって…」