第48章 君が欲しいからシたことーR18ー(蘭丸)
丸まって横になっている華月様は何も言わない。
(怒ってるのか、泣いてるのか…)
「…華月様…ごめんね……俺の事、怒ってるよね?嫌いに、なった?」
恐る恐るそう問いかけた。
自業自得とは言え「嫌い」とは聴きたくない。
「……」
答えはない。
「……」
少しの後悔が湧いて、頭が下がる。
(なんとか言ってよ)
そう思っていると、
「…蘭丸くん…私のこと好き…だったの?」
小さな声で華月様が言った。
「そうだよ。
あんな事したけど、言葉に嘘はないよ。
で、華月様はどうなの?」
「……嫌いとか、無いけど…」
「けど?」
「そんな風に見た事も考えた事もなかったから…」
「そっか〜良かった」
「?え?」
「これから、対象として見てもらえるように、俺、頑張るから!」
元気が出た。
今まで対象ではなかったけど、嫌いじゃないなら、なんとでもなる!と思う。
フフフフ、笑っていると華月様がちょっとこっちを向いて、
「蘭丸くん…さっきみたいなのは、ちょっと……」
困った恥ずかしそうな顔で言った。
「え?」
眼をパチクリさせると。
「もうちょっと、普通に……」
(え?そんな…)
思ってもない言葉だった。
「…お手柔らかに…お願いします……」
消えそうな声で言って華月様が顔を隠す。
(それって………そーいうことも、シて良いってこと⁉︎)
「華月様っ!大好きっ」
俺は背中を向けて転がっている華月様に抱きついた。
「覚悟してて。
絶対、貴女の心まで攻略してみせるからっ」
耳元に囁くと、更に華月様は耳を赤く熱くした。
はやく、俺に堕ちて来て欲しいなーー…。
ー了ー