第44章 初雪の夜ーR18ー(秀吉)
寒くないって言っても、冬の夜。
障子を開けて雪を見ていれば、段々と軀は冷えて来る。
「華月、冷えるからこっち来いよ」
「?」
「ほら、ココおいで」
秀吉が腕を広げて待っている。
(ここおいで、って…甘い、甘すぎる…////)
華月は急に恥ずかしくなって真っ赤になってしまった。
「?どうした?」
「いいえ…なんでも…」
言いつつオズ…と近付いた。
フワッと仄かに沈香の香りが鼻を掠めて、
背中に温かさに包まれた。
(安心するな…)
心地良い匂い、温度、
居心地の良い華月の場所。
すっぽりと腕に入る抱き心地、
大切なモノを守っていると言う秀吉の安心感。
「なあ華月……」
「ん?」
「………いや、なんでもない…」
ザワッと胸騒ぎがした気がした。
(ただの胸騒ぎ。
考え過ぎだ)
言えば華月を不安にさせるかも知れないと、秀吉は言いかけてやめた。
「なーんーでーすかぁ〜?
言いかけて止めるなんて、気になり過ぎて流せないよっ」
「言って」
真っ直ぐな瞳が秀吉を写す。