第42章 貴方への境界線ーR18ー(光秀)
シュッ
よく滑る襖の敷居が開く音がした。
「……帰った…寝ている、か…」
光秀さんがこうして夜遅く、私の枕の傍に膝を付くのは何度目だろうか…。
そして、立ち上がろうとする衣擦れの音に、
手を伸ばし、膝に触れた。
「⁉︎ 起きていたのか…」
驚いた表情は一瞬で消え、泣きそうに優しい顔で私を見るから、
たまらなく胸が詰まった。
「おかえりなさい、光秀さん」
膝をスルっと撫でる。
(今日は…行かないで…)
「ここにいて下さい、光秀さん…」
私は甘く懇願して、掛け布団を持ち上げ、誘った。
独り寝の閨は寂しいから、
隣りにいてくれるだけで良かった。
私の隣に光秀さんを感じるだけでも満足だった。
けれど、