第40章 欲しがりな想い-R18–(元就)
「ほら」
「あーん」
疑いも危機感もなく素直に口を開く華月。
ゴクンッ
「お前、もうちょっと慎重になった方が良いな」
「え!毒みたいなの飲ませたの⁉︎」
オロオロと青くなる華月。
華月の表情はいつも忙しい。
見ていて飽きない。
クククク…
「いや、そうじゃないが、
そうだとしたらお前、死んじまってるって事だ。
だから、もっと用心しろって言ってんだよ」
「あ、そっか…」
「それに、何で俺がお前に毒なんて飲ませんだよ。
これでも、お前に惚れてんだぞ?」
「えへへへ」
照れて笑う華月は気が抜ける程、可愛いと思った。
「私も、元就さんの事、好きですよっ」
(あれ?…思った事が口から……)
華月の口からポロっと溢れた言葉に驚いた。
華月は恥ずかしがってか、素直に「好き」などと言えない。
それなのに
(まさか……)
「変だなぁ」
「変じゃないだろ。
お前、思った事すぐ、口にするじゃねぇか」
首を傾げる華月を揶揄う。
「えへへ」
笑って誤魔化す。
その笑い方が
(酔ってんのか?)
フニャフニャ、ふわふわ とした様子に思えた。
(酒?ただの?)
そう思ったが、ものは試し。
「お前、俺にして欲しい事、あるか?」
普通なら、「特にないですよ」と言うはずだ。
「…ーんー…ありますっ。
私にもっと優しくして下さいっ!」
と、要望を口にした。
(効いてるってことだよな)
「俺はいつも優しいだろ?」
「え〜そうかなぁ。
意地悪ですよ。い、じ、わ、る〜」
「優しくってどんな風にだよ。
言ってみろ。
お前の望むままにしてやるぜ」
俺は楽しげに眼をキラッと光らせた。
(どんな?ーー……)