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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第39章 視線の先、君の声が泣いている(家康)






華月が息を吸い込んで出てきた言葉、
俺の耳に届いた言葉は
「ーー…好きだよ…」
だった。
目の前の華月は、
視線を外して照れている。

(間違いないの?)

にわかに信じられなくて、黙って華月を見た。
でも、華月の『好きだよ』って言葉が頭の中に反響して何度も聴こえていた。

「…家康?…」
「えっ、あっ」
「…やっぱり、嫌、だよね?
私なんかに好かれるなんて…」
悲しそうなくせしてヘラッと笑う。
それが何だか悔しくて…。

苛っとするような、
切ないような、
寂しいような…
それは自分の所為で……

(そんな顔、する事ないっ)

「もう、無理……華月…ごめん……」




「⁉︎」
覚悟はしてた。
駄目だろうな、ってわかってた。
やっぱりな、ってわかってたけど……、
その言葉を家康の声で聴いた私の心は、
笑い飛ばせるほど強くなかった。
堪えてたけど、
涙がみるみる沸き上がってきた。

(溢れちゃう…)

と思った瞬間、
温かさに包まれていた。

抱きしめられたんだと認識するまでに、
ちょっと時間がかかった。






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