第38章 その手をいつまでもーR18ー(幸村)
「俺も、お前が好きだ。
ずっと前から。
ずっと、ずーーーっと前から…」
「うん…」
「華月…」
向きを変え、向かい合った華月は真っ赤な顔をしていた。
「…っ…////」
伝染する。
「あのさ、華月…」
「うん」
「…この傷ごと、俺の事………
貰ってくんねーかな…?…」
もう、友達や幼馴染を理由に我慢なんて出来なかった。
抑えてた気持ち。
「お前が好きだ。
だから…お前が欲しい」
(俺の手にして、
俺の傍で、守るんだ。
ずっと、ずっと……)
ずっと昔に決めていた。
ずっと昔に決まっていた。
「失いたくない……」
「うん…私も…一緒に幸せでいたいよ…」
「華月…」
ぎこちなく華月を抱きしめ、
唇を重ねる。
(華月ーー……
こんなに柔らかだったんだな……)
子供の時から傍で俺を呼んでいた唇。
俺に笑いかけていた唇。