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≪イケメン戦国≫ 君と詠う愛の歌 SS

第38章 その手をいつまでもーR18ー(幸村)






「華月ぃぃ〜っ‼︎」
声を張り上げてももう届かない。
真っ赤な炎に包まれた屋敷。

(幸村の声がした気がする…)

「来……いで…」

(幸村…大好き……生きて…)

伸ばした手は宙を掻いた。
熱さと煙に意識が遠のいて……。


「華月ぃぃ!華月ーーっ!」
「いけません!無理です!
もう、火が回って……幸村様もお離れ下さいっ」
最愛の人の名を呼び続けて、
燃え盛る屋敷に入ろうとする俺を家臣達が羽交い締めにし、押し留めようとする。
「止めんなっ!はーなーせっ‼︎
華月は中にいるんだろ⁉︎
助けるッッ」
「もう、無理です!幸村様ッッ」
そうして、救出は阻まれた。



「俺の所為だ…俺が娶ったから…
守るって誓ったのに…俺が…奪った…
アイツの命を……」
膝から崩れ落ち、地面に額を付けた。
城から避難させていた屋敷に火を掛けられた。
俺の帰りを待っていた華月を人質にして、
交渉する機会もなく、無常にも火をかけたのは武装僧達だった。

(華月……次は必ず…守るから…)

俺は拳を握りしめた。




握っていた手が、きゅっと力を込めたように感じて、慌てて幸くんを呼んだ。
「幸⁉︎幸?
大丈夫?
目が覚めたの?幸?」
呼んでも応えはなかった。







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